そんな上条の気持ちが吹っ切れたのがその日の昼休みだった。
いつも来るはずの日奈が…
『上条くんっ』
うれしそうにドアから顔を覗かせる日奈が…
いつもの時間になっても顔を見せなかった。
バレンタインの次の日から毎日来ていたのに
今までこんな事なかったのに…
ふいに浮かんだ日奈の悲しそうな顔が
『もう嫌い』
そう言ってる気がしてきて…
何度も考え直そうとしても
どうしてもその考えが消えなくて…
………――――――ガタ
上条が席を立った。
いつも日奈が顔を覗かせる後ろのドアから教室を出る。
そして…
賑わう廊下を足早に日奈の教室に向かう。
違うクラスなんか滅多に行かない上条が
日奈の教室のドアに手をかける。
教室の中から日奈の姿を見つけて…
「篠…日奈っ」
名前で呼んだ。
ざわめく教室の中で、
一瞬体をすくませて振り向いた日奈の目には涙が浮かんでいて…
でも上条の姿に気がつくと慌ててその涙を拭いて
上条の元へ走ってきた。
「あのっ…
今日行かなくてごめんね…」
「…こっちこい」
俯いたまま謝る日奈の腕を掴み
上条が歩き出す。
クラス中の視線が注がれる中、
上条が日奈を連れ出した。
日奈を振り返ることなくどんどん進む上条に
日奈が戸惑いながら小走りで付いていく。
ついた先は…
いつもの会議室だった。
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