「ね、ここで働いてるの?」
…んな訳ねぇじゃん。
「あたし今度行くからデートしようよ」
…うぜぇ。
配りだしてから10分。
上条は派手な女2人に絡まれていた。
学校ではクールを突き通しているため
こんな風に近づいてくる女はまずいなかった。
「…仕事があるんで」
そんな言い訳をしてもなかなか引かない女に頭にきながらも
飴を買うために必死で理性を繋ぎとめる。
こんな事をしている自分に呆れて…
途中、何度も止めようと思って…
でも
どうしても帰れなかった。
「いいじゃん~
そんなの後にして…」
そう言って腕に絡み付いてきた女の手を
上条が掴んで自分の方へ引き寄せる。
顔を近づけて…
「…オレ、この店でバイトしてるんで
来週にでもきてくださいよ。
…サービスしますよ?
色々と…」
低い声で小さく笑みを浮かべて言うと
女の顔が赤く染まっていって…
「…わかった」
含み笑いをしながら上条のティッシュを半分取った。
「配っといてあげる。
その代わり、忘れないでね?」
完全にタイプじゃない女に軽く手を上げた後、
上条がやれやれと視線を駅の広場に向けた時…
上条の目に…
いるはずのない日奈の姿が飛び込んできた。
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