武田のメモの一番下、
『ランク外だけど…』
そんな言葉と一緒に日奈の言っていた店の名前があった。
『新しく出来た店。
ホワイトデー専用に作られたキャンディーを
もらうと2人は幸せになるらしく、
一部の乙女に人気。
…飴なんかで幸せになれるわけないのに』
武田の汚い字がそう躍っていて…
上条が短い息を吐いた。
『一部の乙女』
その中に日奈がいると思うと自然と口元が緩んできて…
「…昼休みエッチな事してたんだろ(笑)」
そう突っ込んできた武史に
くしゃくしゃに丸めたメモを投げ返した。
「あっおま…勘弁しろよ~
これ集めるのにすっげぇ労力使ったんだからな?」
武田の言葉に返事もせずに
上条が窓から空を眺める。
仕方ねぇな…
名前からして
かなり夢見心地な店を思い浮かべて顔を緩めながら…
上条が覚悟を決めたように長い息を吐いた。
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