『いーついーつ、でーやるー』
考えていたことが思い出されたらすっきりするはずだが、時がいけなかった。
童謡が歌われる最中、好美はあることを思い出す。
“髪を洗っているときに『かごめかごめ』を歌ってはいけない”
「っ……!」
なんと間が悪いのか。ならば歌うのをやめたらいい、かごめかごめの都市伝説の対処法はそれだ、簡単なんだ、思い出さなければいい、それでことは済む、歌わなきゃいい、だからさっさと止めればいいから、いいからその歌を思い出すなっ――
『夜明けのばーんに、つーるとかーめがすーべったー』
思い出すなと、考えるなというのに歌は続けられた。
頭に住み着いた童謡は一字一句間違えることなく紡がれる。


