“渉が認めた住人”がいるのだ。そうしてそれは“一人と数えられるモノではない”。
何かなんて知るよしもなく、好美にとっては渉が言った言葉の謎をとけられずにいた。
式の答えが分からないように釈然とはしないが、分からないならば白紙で提出するしかなく、そればかりの式に頭を使える集中力もなかった。
何せ、色々ありすぎた。
今後忘れられない記憶になるだろうが、あまりにも現実離れしたことにはあれは本物だったのかと疑いたくなる。
映画を見ていたら映画の中に入った、それと酷似した日常から非日常の遭遇は、時間が経つにつれて自問自答に形を変えていく。
だが、結局はあの口裂け女の口も、メリーさんの声も体感したことに過ぎないと身震いが起こる。


