「どうしました?」
いたのは渉だった。
その手には浴衣と帯。タオルを持っていた。
「あ、うん……、なんでもない」
まさか渉を怖いモノと間違えたと言えず、好美ははぐらかした。
さっぱりした性格なのか渉は深くついてこず、好美に持っていたものを渡した。
受け取った浴衣は旅館などであるような青の幾何学模様が入ったものだ。
「お風呂わいてますから、好きな時にそれを持って入ってください。僕は別室で夕食を食べてますから」
泊まる客への最低限の接待だ。
しかもか、夕食を食べない好美に気を使い別室で食べるという。いや、居間ではいつも食べないのかと好美の深読みかもしれないが。
「ありがとう。ごめんね……」


