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「ここ、高いんだろ?」


「ええ。……でも、あたしたち弁護士なら利用できるぐらいの店よ。値段はいくらか張るけどね」


 江美が予約したのは、南青山の高級レストランだった。


 しかも出される料理はフルコースだ。


 食前酒のワインを飲んだ後、前菜が持ってこられて、それから豪勢な料理が次々と振舞われる。


 さすがに高級食材をふんだんに使った品物ばかりが出されて、落ち着くはずの気持ちが落ち着かない。


 普段、事務所で夕食に食べるのは出前のラーメンかうどん、蕎麦ぐらいで、高級料理などが取られることはまずなかった。


「もちろんカード決済だよね?」


「ええ。あたしが奢(おご)るから安心してて」


「分かった」