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「おはよう、園岡」


「あ、須山先生。おはようございます」


「明けましておめでとう。今年もよろしくな」


「おめでとうございます。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」


「それにしてもこの事務所、正月気分まるでないよな」


「ええ。でも仕方ないんじゃないですか?法律を専門に扱う場所なのですから」


「俺もここ数年、ずっとこんな正月が続いてるよ。年が明けたらまた仕事って感じでね」


 須山が笑った。


 思い切って訊いてみる。


「先生の来年度の所長就任が噂されてますが、真相はどうなんでしょう?」


「そんなこと気にしてたのか?関係ないぞ、そんなことは。俺が所長になろうが、弁護士は弁護士だ。今まで通りクライアントからの仕事を引き受ける」


「でも所長になればメリットはあるんじゃないですか?ご自分の時間を持てるとか」