「で、大遅刻の言い訳がそれ?」 どうして練習に遅れたんだと 自分から聞いておきながら、 コースケは呆れたようにそう言うと 買ったばかりだと言うベースをスピーカーに立てかけ、 俺の話を途中で切った。 「ホントだって。 けっこう人が見てたから聞いてみろよ。」 「ウソだとは言ってないじゃん。 ライブやってからファンクラブまで出来たからねー、ヨッシーは。」 新譜を俺に渡し、ケンヤがドラムセットの前に座る。