「そうね、いきなりご挨拶なんて、緊張するでしょうし、私、準備するわ。大変、材料があったかしら。」

おふくろがいそいそキッチンに向かい、

親父は、ボストンバックと紙袋をリビングに運ぶ。

今だ!!

急いでねーちゃんの部屋に戻り、すやすや寝てるねーちゃんを起こす。

「ねーちゃん、ねーちゃん!起きて!」

ねーちゃんは、ちらと目を開け、「……もう朝?……」と呟いた。

かわいい!

いや、かわいいけど、起きて!!

「ごめん、ねーちゃん、親父達、帰って来たんだよ!なんか、取引先の人の葬式とかって、」

「……お父さんの葬式?……」