何をしている?

県でも有数の不良校に通ってるって言えば良いのか?

“獅龍”という不良チームに入って、幹部をしているって言えば良いのか?

それとも……加賀美の跡取りとして頑張ってるって言えば良いのか?



「別に……普通に高校生してますよ」

「そうなの。高校は楽しい?」

「そうですね……」



蓮、タカ、大河、隼、真梨ちゃん……。

獅龍のみんなの顔が脳裏に浮かぶ。



「楽しい、ですよ」



それから陽子さんと歩さんが中心に話を進めていった。

まるで俺から話を振られるのを避けているようだったけれど、賢明な判断だろう。

俺は生ぬるい話をする気はない。



コース料理はどんどん進み、最後にコーヒーが配られた。





「颯」



陽子さんが真剣な表情で俺を呼ぶ。

……やっとか。

さっきから当たり触りのないことばかり話して、俺を刺激することを避けていた。