ファッションビルに入っていくと、早速ドレスの売っているショップに向かう。



「どんなドレスがいいかなー。でも真梨は何でも似合うからなー」

「そんなことないよ。色とか結構選ぶタイプだし」



んー、と悩む菜穂にそう返す。

実際、ハッキリとした色が好きだけど、身に着けると強くなりすぎて似合わない。



「髪と目はどうするつもりなの? パーティー」

「今日と同じ黒で行こうとは思ってる……。目立ちたくないし」



あたしの本当の色は目立ちすぎる。

パーティーではできるだけ目立たず、無難に過ごしたい。



「(目立ちたくないって、それって割と難しいような……。)それなら色はそんなに気にしなくていいんじゃない? 好きに選べばいいのよ」

「うん……」



ショップに着くと、そこにはたくさんのドレス。

他にも華やかなパーティーバッグやパンプス、ショールなどもある。

パーティーグッズが一式ここで揃いそうだ。

まず、一つ一つドレスを手に取ってみる。

パンツのもの、ワンピースのもの、レースを使っているもの……種類は様々だ。