『……ねぇ、聞いてもいい?答えたくなかったら別に答えなくていいから』

『聞いちゃいけない事なんて一つもないよ。
マイが知りたい事、何でも聞いて』


シンは年下だけど、急に大人みたいな広い心を見せる。

私はゆっくりと唇を動かして訊ねた。


『………シンは何の病気なの?』


私が一番嫌いな質問。

軽くても重くても「こうゆう病気なんだよね~」
ってペラペラ喋る人は好きじゃないし、
「実は……」って深刻に話されても困る。


それにこんなの聞いたところで何かしてあげれる訳じゃない。

可哀想に、大変だね。

患者はこんな言葉が欲しい訳じゃない。


シンは私の目を見つめて、ニコリと笑った。



『───マイと一緒だよ』


ほらね、やっぱり聞かなきゃ良かった。

だってね、泣きそうになるから。


私はこんなにねじ曲がった性格してるのにシンは真っ直ぐで、同じ病気なのにシンはこんなに優しく笑うんだね。