病院を出た私は空を見上げた。
シン私ね、来年の春からまた高校に通う事になったよ。同級生はみんな卒業しちゃったし後輩は先輩になるし、19歳の高校2年生だよ。
それでも学生生活を精一杯楽しもうって思ってる。もう制服が似合わないかもしれないけど笑わないでね。
『あ、マイ病院には行ってきたの?これから晩御飯の買い物行くから一緒に来て』
『えー』
その途中でお母さんにばったり会って私は無理矢理腕を組まれてしまった。
『お母さんやめてよ。近所の人に見られたらどうすんの』
『ふふ、いいでしょ?お母さんマイと買い物するのが夢だったんだから』
私にとって何気ない時間も誰かにとってはしたくても出来ない時間。
だから私は1秒1秒悔いなく過ごそうって決めている。
私ね、小さい頃から病気と向き合ってきたけれど何故か自分が死ぬって思えなかった。
普通の人よりもずっと近くにあるはずなのに、
まだまだ先の事だろうって。
息をして、話が出来て、ここに居る事。
私は地球が青くて丸いように明日は絶対来るものだって思ってた。