低い高速タックルだった。
愛弓の身体が後ろの山に当たりバウンドして倒れた。
佐竹は、砂浜にうずくまったまま動かない。
次郎がガッツボーズをしたのが見えた。
一瞬の出来事だった。
佐竹が低くタックルに入ろうとしたのを愛弓が絶妙のタイミングで膝を出した。
愛弓の膝が佐竹の頭か顔に入った。
愛弓は、山を背にしていた為に体重差を上手く無くす事が出来た。
それでも、さすがに佐竹の高速タックルだった。
愛弓をバウンドさせた。
しかし、高速タックルだった為にそれが佐竹にとっては、仇となった。
次郎が愛弓の元に駆け寄る。
愛弓が頭を振りながら立ち上がった。
「ミルコクロコッ○と藤田和○戦ね。
あのやり方好きじゃないけどね。
次郎さんわざわざ言いに来なくて分かってたんだからね。
私は、格闘技マニアよ。」
愛弓は、笑った。
藤本が佐竹を起こしに行っている佐竹は、愛弓の膝をくらい失神したようだった。