そんな関係に小さな変化が起こったのは…


その2日後。




「あ、ねぇ、翔くんいるよ」


昼休み、パックジュースを買いに行った優奈に
友達の美里が声を掛けた。


美里の指の先には、渡り廊下を歩く翔がいて…




その隣には…


優奈の知らない女の子がいた。



「げ、あいつ大山じゃん」


ぼんやりと眺めていた優奈の隣で
美里が顔を歪めた。


「誰?大山って」


聞き返した優奈に美里が尖らせた口を開く。


「男好きで有名のサッカー部マネージャー。

大山千夏。

入学してきてまだ1年経たないのに
もう10人以上の男を手玉にとって遊んできた嫌な女だよ。

…自分が可愛いのをわかってるから余計にむかつく」


「へぇ…」


翔の隣を我が物顔で歩く大山は確かに可愛らしい顔をしていた。


すっとしたスタイルにふわふわの今時のヘアスタイル。


…翔とよく似合ってるように見えた。



「…あたしもパーマでもかけてみようかなぁ」


「え?!そこ?!

…ずっと見てたからやきもちでも妬いてるのかと思ったのに(笑)」


「だから、翔は弟みたいなもんなんだって。

それよりどう思う?


あたしパーマ似合うかな?」


すっかりその気になっている優奈に美里が大きくため息をついた。







その時は何も感じなかった胸が騒ぎ始めたのは…





その日の放課後だった。





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