これも小さい頃から変わらないが…
翔は女の子にモテる。
もともと可愛らしい顔をしているのもあるが
人懐っこい性格や、よく笑うところ、
人を安心させるような雰囲気を持ってるところが
きっと女の子を惹きつけるんだといつか友達が言っていたのを思い出す。
優奈の見つめていた先で
翔がニッと笑って…
「あれ?
優奈姉、やきもち~?(笑)」
優奈の頬を人差し指でつついた。
廊下を通る生徒がそんな2人の様子を見て
ひそひそと話をしだす。
「また早川くん、来てるよ」
「やっぱり付き合ってるんじゃない?」
「え~…ショック~」
「1年の間でも人気あるらしいけど…
でもやっぱりかっこいいよね」
そんな話に耳を傾けながら優奈が翔の手を払う。
かっこいい…?
…可愛いじゃなくて?
「優奈姉!
ぼーっとしてないで帰るよ?」
首を傾げていた優奈に翔が同じように首を傾げて優奈の顔を覗いてきて…
「あ、うん」
ドキッとするほどの至近距離に
優奈が動揺する事なく答えた。
「ちょっと待っててね」
優奈の言葉に笑顔を返す翔はやっぱりやんちゃな顔で…
可愛いの間違いでしょ(笑)
そんな事を思いながら優奈がカバンを持ち上げた。
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