「え…?」


一瞬で辺りが曇るほどの大群。
…いや、大群でもないのかもしれないけれど、1頭あたりの大きさが異様にでかい。
それもそのはず…


「炎竜(エンリュウ)だ…。」

「エンリュウ?」

「説明は後でするわ!今はとにかく逃げてっ!」

「ボクが先頭行くからついてきて!」

「白斗、剣に『アイス』、かけてくれ。」

「あの火を斬るの?」

「あんなの避けきれる大きさじゃない。」

「…『アイス』。」


白斗がそう唱えると、蒼刃の剣が氷を帯びる。
どうやらこの氷の張った剣で炎竜の吐き出す炎を散らすらしい。


「緑志!星来にシールド!」

「分かってる!」


そう言って緑志はシールドを張ると、自らも剣を片手に炎に斬り込んでいく。


「桃依、紫紀。凛ちゃんと星来を守って奥へ。」

「りょーかいっ♪」

「分かっている。」


桃依が彼女の手を引き、紫紀が星来に近付く。
その瞬間だった。