その一瞬だけの真顔は、まばたきの後には、笑顔に戻っているんだけど。 時たま見るその表情は、いつだってあたしに違和感を与えるんだ。 『…誰から?』 「里奈ちゃん~。」 こんな風に相手を干渉できちゃうのも、あたしが幼なじみだから。 前にメールしていた子とは違う名前を口にするアイツは、やっぱり笑っている。 その笑顔の裏がなんだか掴めなくて、あたしは怖かった。 『…よかったね。』 ―…なんで、そんな顔するの。