そう言って、あたしが颯の肩に掴みかかった時。 ―…その手は、宙に舞った。 『……っ』 だけどそれは、颯があたしを避けたとか、そんなんじゃなくて。 体を乗り出そうとしたあたしの腕を、何者かによって引き止められたから。 仕方なく後ろを振り向くと…、…担任。 『…なんですか、先生。』 今、大事な場面だったんですけど。 もう帰りのHR後の放課後だし。 颯がまだいたのは、女の子とのお喋りが長引いてるからであって。 颯がいつ帰ってしまっても、可笑しくない状況。