あんなに、先輩のことが大好きだったのにな。 こんなことで悲壮感が消え去るなんて、そこまでの気持ちだったのかもしれない。 だけど、そんな風に思いたくない。 確かにあたしは、先輩が好きだった。 「へぇ~?」 『~~っ。』 ―…やっぱり、アイツのおかげなのかもしれないな。 ニヤニヤと笑ってこっちを見てくるアイツに、苛立ちがこみ上げつつも。 あたしの心は、重みが取れたような気がしていた。