部屋から出ると、空は快晴。天気予報では今日は降水確率五十パーセント。


天気予報もたまには外れる。


俺は、深呼吸した。


空は晴れ渡り、清々しい風が体を包んでくれる。


街の通りを歩き、俺は店に向かっていた。


街には、夏の名残りが残っていた。


人々は、木陰のベンチに座り、子供達は噴水で涼を求めていた。


俺はそんな群衆の中で一人、黙々と店を目指していた。


額に汗がにじむ。


角を曲がったところに店があった。


こうやって思うと、なつきが倒れたなんて、信じられなかった。


俺は店に入り、店員と話し、預かっていてもらったプレゼントをもらった。


店員はなつきのことを訊きたそうにしていたが、俺はあまり話さなかった。


店員は「お大事に」と、だけ伝えておいてくれるようにと、深々と頭を下げた。


そして、俺は、病院へと急いだ。