何も言わない真帆に痺れを切らしたのか、フゥ‥と浅く溜め息を吐いて、母親はゆっくりと腰を上げた。 「今日はもう帰るわね。 一晩よく考えなさい。」 そう言って、母親は病室を出た。 病室に取り残された真帆は、チラリと病室の扉を見る。 眉を八の字にして溜め息を吐き、行儀良く並んだリンゴうさぎを人差し指で突っついた。 「あたしだって死にたくないよ‥」 じわり、涙が沸いてきた。