本当に死ぬなんて、頼はしないだろう。
だって彼の「死にたい」は、私を生かすための「死にたい」だった。

そして多分私も、もうこんなことはしないはず。

「死」を選ぶって、きっととても贅沢なこと。

だから私はこの身で、出来るだけ早く、その贅沢を味わいたかった。


だけど最高のタイミングを邪魔された今となっては、「死」にこれまでのように魅力を感じることはないだろう。

私の瞳には涙も笑顔も浮かばなくて、だけど無表情とも言えなかった。

それはきっと頼もわかってた。


今見ている青灰色の夢は青色に変わる時が来るのだろうか。

だけど、この色が変化しないことはない。
それだけははっきりとわかる。


家に帰って、眠って、明日になって。

また誰かに頼との関係を聞かれたら、私はこう答えようと思う。




頼?

私の、一番の親友だよ。


end.