――死んじゃえばいいのに。 それは、誰に向けた言葉だった? 窓枠に足をかけて手を置いて。 することと言えばひとつだった。 「バイバイ、頼」 きっと今までで最高の笑顔だったと思う。 苦しくないの、悲しくないの。 私、すっごくうれしいの。 ――また明日ね。 それは嘘になっちゃったけど、だってもう。 こんなに汚い世界を、見なくて済む。