街灯が少なくて暗い道を、頼が先導して歩いてくれる。 私の家なんだから道ぐらいわかるのに、それでも。 「また明日ね、奈里ちゃん。あ、もう今日かな」 そんな軽口と共に悩み事なんて何も無さそうな顔をして、彼の背中が遠ざかる。 真っ暗だった空は少しずつ白み始めていて、これでもう大丈夫だと安堵した。 死なないでね、頼。 頼が死んだら、私は――。