「どしたの。しんどい?」 「いかないでね…」 行かないでね、とも逝かないでね、とも聞こえた。 きっとどちらの意味も含んでいたに違いない。 「…いかないよ」 少なくとも、君が元気になるまでは。 だって死んだ時に悲しむ人がいないと死にがいが無いじゃないか。 君なら、俺が死んだ時に悲しんでくれるって知ってるから。 だからもうちょっとだけでいいから、生きてよ。 その間は俺も死なないで済むと思うから。 掴んだ腕はじわり、じわりと熱かった。