コンビニの袋を腕からぶら下げながら、奈里ちゃんがにこにこ笑う。

よっぽど俺に勝ったのがうれしかったんだろうか。

そう考えるとちょっと悔しくなってきて、今度奈里ちゃんの所に遊びに行った時は絶対に勝ってやろうと思った。


うれしそうにアイスのスプーンを差し出してくる奈里ちゃんに首を傾げたくなる。

もう高校生なんだから間接キスだってわかってるはずなのに、戸惑ったりしないんだろうか。

別にいいんだけどね、だって「友達」だし。


でもね、奈里ちゃん。

いくら友達だって、こんなことはなかなかしないと思うんだ。


チョコのアイスは思っていたよりもほろ苦く、その時の俺は上手に笑えていたかわからない。

また浮かび上がる自殺願望。

ウザいぐらい、しつこいぐらい、濃く滲む。