「お邪魔しまーす」

部屋に入って荷物を放り投げて、真っ先に指先が向かうのはゲーム機の電源スイッチ。


ブィン、と重い音がしてテレビ画面が明るくなる。

昨日思ったことは、このゲームは頼のゲームだからもしかしたらすごく私にとって不利なんじゃないかということ。

かと言って私のゲームを持ってくるのは、負けた気がして嫌だ。


だから今日はもっと対決する前に練習しておこう。

それから必殺技のタイミングも考えないと。


「ねぇまだ?奈里ちゃん」

「もうちょっと待って!頼に勝てるように頑張るから!」

ゲーム画面の中で、眩しいぐらいのフラッシュがチカチカ瞬く。