「…サンキュ。
送るから…」
そっけなくお礼を言われて
日奈が上条の後ろを歩き出す。
なんだかこれだけのために待っていた自分がバカみたいで…
日奈の足が止まりそうになった時…
「あ~…
だめだ…やっべぇ…」
前を歩く上条が片手で顔を隠して天を仰いだ。
日奈が不思議そうに見つめる先で上条が振り返って…
「…チョコ、かなりうれしぃんだけど(笑)」
今まで見たことないような笑顔で笑った。
「え…本当にうれしい?」
「あぁ…なんで?」
上条の言葉に驚いたように聞き返した日奈を上条が不思議そうに見つめる。
その瞳がとても優しくて…
今まで我慢していた想いがポロポロ言葉になって溢れ出した。
「だって…
上条くん電話もメールもくれないし…
いつもあたしばっかで…
だから…ずっと不安だったんだもんっ
付き合ってるつもりでいるのはあたしだけじゃないかって…」
言葉と一緒に溢れ出した涙が日奈の頬を伝って…
地面のコンクリートを濡らす。
上条は日奈の言葉と涙に少し驚いた表情を浮かべて…
片手で頭をかきながら少し俯いて口を開いた。
「ごめん…
オレ、篠原がそんな風に思ってるなんて知らなくて…
女ってそっけないくらいに接した方がいいって聞いてたから…」
気まずそうに言う上条の言葉に
日奈が顔を上げた。
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