女嫌いじゃなかったのか。
何で自分と付き合おうと思ったのか。
自分の事を好きでいてくれてるのか。
そんな疑問は…
常に日奈に付いて回った。
付き合い始めても
上条との関係が変わることがなかったから。
テニス部に所属している上条は帰りが遅い。
帰宅部の日奈と一緒になる事なんて全くない。
電話もメールも日奈からだけで
あげくには「好きだ」とも言われていない。
学校でもそっけない上条は日奈の不安を煽るだけで…
あの上条と付き合ってるのに、
噂1つたたなかった。
全部が自分からで
何も言ってくれない上条が不安で…
でも、それでも好きで好きで…
電話から聞こえる低い声も
そっけない文章でも必ず返信をくれるメールも
廊下ですれ違うと必ず合わせてくれる目も…
日奈の気持ちを掴んで離さなかった。
「…上条くんってさ、
あたしの事好きなのかな」
チョコを片手に眺めながら言う日奈に
恵理子が驚いた表情を見せる。
「え?!
だって好きだから付きあってんでしょ?」
「…付き合うのはいいよって言ってくれたけど
「好き」とは言われてないんだもん…
大体さ、付き合ってるのかどうかも自信ないし…
上条くんそっけないし…
あたしの勘違いだったのかも…」
表情を曇らせて机に突っ伏した日奈に恵理子が小さくため息を付いた。
「ちゃんと聞きなよ。
聞けば上条くんだって答えてくれるんでしょ?」
あたしの事好き?
本当に好き?
どこが好き?
なんで電話もメールもしてくれないの?
たまには一緒に帰りたいよ…
浮かぶ言葉は全部上条を困らせるような言葉ばかりな気がして…
日奈がぎゅっと目をつぶった。
せっかくのバレンタインなのに…
日奈のため息がふわふわと教室に落ちていく。
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