上条は

かなりの外見で、
女子の中でも「イケメン」だと騒がれるほど…


でもそのクールさと無口さ、
女子を近づかせないオーラのせいで
「イケメン」だと謳われるほど女子からモテなかった。


と、いうよりは…

上条を想う女子は積極的ではなかった。



「イケメン」だという話と一緒に
「女嫌い」だと言う噂も出回っていたから…






それでも…

どうしても伝えたくて伝えたくて…



振られるのを覚悟で10月の文化祭の時に上条を呼び出した。


周りが文化祭で騒ぐ中、校舎裏の焼却炉はとても静かで…

中で燃やされているゴミがパチパチと音を立てていた。


少し面倒くさそうに呼び出し場所の焼却炉に来た上条にドキドキしながら…

でも明らかに迷惑そうな上条の様子に
成功率が限りなくゼロになったのを感じながら…



「あのっ…

付きあってくださいっ」


日奈が告白した。



目をぎゅっとつぶった顔を俯かせて…


上条の返事を待った。


待って、待って…

それでも落ちてこない返事に不安になり顔を上げた日奈の目に…


顔をしかめる上条の姿があった。


なんだか怒っているようにも見えるその表情に日奈が慌てて口を開く。


「ごめんなさいっ…

ってゆうか迷惑だよねっ


いいです、忘れて…」


「…篠原、オレが好きなの?」


日奈の言葉を遮った上条の言葉に…

日奈が赤く染まった顔を頷かせた。


こくんと頷いた日奈を見て…



「…いいけど」



上条がポツリと言った。






その時は信じられないって気持ちと
嬉しさで何も疑問に感じなかった日奈だったが…



後から考えてみると疑問だらけだった。




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