日奈からのメールは週に5回、
電話は2回。
おかしなくらい毎週回数が決まっていた。
学校でも話しかけてこない日奈にふてくされながらも
イメージを壊したくないと自分からは話しかけられない上条にとって
電話とメールだけが楽しみだった。
『あのねっ…』
いつも少しだけ緊張している日奈が可愛くて…
思わずにやけてしまう口元を
電話なのに、手で隠す。
「…篠原ってオレのどこが好きなの?」
何回目かの電話の時に、
上条が聞いた。
『えっと…全部』
日奈の言った言葉に思わず顔が緩んで…
でも同時に焦りが走った。
やっぱり日奈が好きになったのは学校で見せているようなクールな自分で…
その全部が好きだという日奈に素の自分を見せたら嫌われる気がした。
本当の自分でいられないなら別れればいいだけの話で…
でも
『可愛い』
そんな淡い気持ちだったものはこの数週間で形を変えていて…
割り切れるものではなくなっていた。
日を追う毎に日奈に引かれていく自分を知っていたから余計に苦しかった。
本当の自分を見せても好きでいてくれるかが不安で…
週に2回電話がなくなりそうで不安で…
結局、自分からは何もしないクールなスタイルを突き通していた。
日奈に嫌われたくなかったから。
日奈に好きでいて欲しかったから。
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