【短編】甘口チョコレート


告白されて2日が経った夜、

何気なく上条がケータイを手にする。



番号とアドレスを交換したのに
何も連絡をしてこない日奈が気になって…


日奈の番号を眺めて発信ボタンを押そうとした手を…


上条が止めた。







…でもあいつ

絶対にオレが無口でクールなやつだって思ってるよな…


電話なんかかけたら幻滅されるかな…





『男はクールな方がかっこいいよ。

上条くんってなんかイメージと違う』



中学の頃、1週間だけ付き合った彼女に上条が言われた言葉。


告白は向こうからだったのに、

別れを切り出してきたのも向こうからだった。



泣きつかれて仕方なく付き合いだした上条は
内心、別れる事にはほっとした事を覚えてる。



イメージなんか相手の勝手な見方だし、
そんな言葉なんかすっかり忘れていたが…


日奈の事を考えていて、急にその言葉が蘇った。





もしかしたら

日奈にも同じ言葉を言われる気がして…




…やめとくか。




発信ボタンとクリアキーの間で迷っていた手を止め、
ケータイを閉じる。





…つぅか、かけてこいよな。





そんな自分勝手な事を思いながら
上条が小さくため息をついた。



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