「つまりは撫でれば誰でもいいのね」
「いやいや、撫でる前に普通は蜘蛛切の餌食。両手無事な依子はんは凄いんどすえ」
「兄さんー、姉さんが無視するわぁ」
潤目で今度は秋月に抱きつく冬月。秋月はよしよしとあやすあたり、慣れているらしい。
「ああ、ここは聖地やねぇ。兄さんと姉さんがおって、僕がおるぅ。ずぅっと、このままでいたいわぁ。そや、みんなでここに住むはどない?」
「勝手にウチに移住しないで……」
「じゃあ毎日姉さんに会いにきますわ」
「勘弁して……」
会う度にベタベタは嫌だが、冬月は聞く耳を持たずだった。
「幸せやわぁ、嬉しいわぁ。兄さんと姉さん、毎日会うん思うだけで、ピカピカやわぁ。
あ、安心してぇ。ここに近づく奴は人間やろうが妖怪やろうが、僕の蜘蛛切でスパスパと――」
「やめてっ、参拝客と妖怪を切らないでっ」


