「僕に触るんやないっ。僕の体は兄さんのもんで――」 「うーるーさーいー。怪我人は黙ってなさい」 「依子はんの言うこと聞きぃ」 「兄さんまで……!僕はこんなおなご……っ」 依子にでこぴんをされた。 その後に頭を撫でられる。 「痛いのに我慢しないのっ。怪我人はいっぱい甘えるっ。口出ししないで私に任せなさいな」 厳しい口調ながらも優しく微笑む依子は、青空みたいだった。 冬月が押し黙る。 撫でられた手が温かさを残して、心地よくもあり。 「かなわんわぁ」 ぽつりと気持ちが零れた。