ヤンデレな弟はお好きですか?



「あ、ああ……。兄さんが僕に傷をつけ、つけてくれた……!兄さんがつけた傷だ、ははっ、傷がある!兄さんが僕のためだけにつけた傷が!きず、絆が、絆だ!」


愉快に快活に笑う冬月の姿。


狐面を踏みしめて、草履を貫通し、破片が足裏に刺さったがお構い無し。


痛みよりも喜びが大きいのだから――


「もっと傷が欲しい!絆が欲しいよ!ちょうだいっ、僕も兄さんにいっぱいいっぱいいっぱいいーっぱい、絆を刻んであげるからさぁ!」


「ちょ、待ちぃ、冬月!これ以上は……っ」


止める秋月で更に好調になった冬月が蜘蛛切を振り回す。太刀筋も何もあったものではないが、ややこしかった。暴れ馬に手綱など意味はなく、落とされないようにその刀業に合わせるのが精一杯。