一際大きく童子切安綱が振るわれた。
押し切り。
体当たりにも近い衝撃で、冬月にたたらを踏ませた。
無防備になる身に更なる追加を。
切っ先で、冬月の面を切った。
綺麗に斜めに割れた面の奥には、呆ける冬月の顔。
からんと、音を立てて落ちた狐面が更に割れた。
「あ、しもうた」
秋月の予想に反することがあった。
冬月の頬。軽く赤い線が入る。
面だけ切るつもりがどうやら、頬に数ミリだけ届いたらしい。
傷つけるつもりはなかった秋月が止まる。
「だ、大丈夫かいな?」
「兄さんが僕の顔に……兄さんが僕の……」
切られたことが痛みから分かったか、冬月は頬を触る。指に乗った赤い液体を見て。


