「つっかかるんやないの、冬月。挨拶しときぃ。日本人のマナーや。兄ちゃんの友達の御巫依子(みかんなぎ・よりこ)はんどす。
依子はん、こっちが双子の兄弟の冬月言いますぅ」
「兄弟揃って帯刀して、狐面なのね……。よく捕まらないこと。というか、見分けがつかないわ」
んー、と目を細めて違いを探ろうとする依子に対して、視線を切るように冬月が刀を振った。
「腐るわ、阿呆っ」
「……私の視線に腐蝕能力があるなんて知らなかったわ」
「やかましい巫女やなっ。舌を切り落としたろうか!」
「まあまあ、落ち着いてよ。というか秋月君もせっかく弟……いや、妹?――ああ、もう兄弟揃って性別不明とかやめてよね!」
面を取っている秋月の顔は中性的であった。声とてどちらともつかない。前に依子が聞いてもはぐらかされたが。


