「帰れてぇ……なんでや、兄さん!」
「あんな、たまには兄ちゃんを一人にしてくれな。妖怪退治以外の外出先は必ずと言うていいほど、あんさんがおるぅ。
僕も友達と遊びたいんどす。分かるぅ?冬月、今日は堪忍なぁ。明日はいっぱい遊んでやるさかい」
「ぃややっ。兄さんは僕のもんなんどす!――僕が、兄さんのもんであるみたいに!」
「あー……」
半ば呆れていた。
冬月の極度の好きには。
好かれるのはいい、自分も冬月は好きだ。だが冬月ほどではなく、少々うんざりしてしまうのも確か。
「ねぇ、なんなの?秋月君の兄弟?」
話が見えてきたか、巫女が口を開く。
「黙っときぃ、巫女!そいと、気安く兄さんの名ぁ口にするんやない!」


