「もう許さないっ。兄さんの隣は僕の居場所なのに!」
駆けた。おいっ、と呼ぶ溝出に構わず、草履が跳ねる。
「――、冬月!」
「え、なに」
兄の声と耳障りな女の声。
駆ける最中に抜刀をし、有無を言わさず女に振り下ろしたが。
「なっ、兄さん!」
有無を言わせたのは秋月だった。
銀と銀が対峙する。
バッテンの状態で止まり、金属特有の和音を奏でていた。
静かなる迫力に負けたか雀が一斉に飛び立った。
足元には紅葉。巻き沿いをくらい、切れている。
「いきなりなんなん、冬月?」
「兄さんどいてっ、そいつ殺せない!」
「はぁ?殺すぅって、なにぃ言うてんの?」


