「ってかタメなんだし敬語やめたら?遥季でいいし。」

「分かった。」


寮への帰り道、遥季と並んで歩きながら話す。
…なんだか変な感じだなぁ。
でも、やっと寮のみんなと馴染めたんだから、よかったのかな…?



「俺さ。」

遥季がおもむろに口を開く。


「財閥の息子だろ?だから、そういう所に目つけてつるんでくる奴多くてさ。」

「…うん。」

確か棗さんも、そんなこと言ってたっけ。



「だから、お前にタンカ切られたとき、はっとしたんだ。…ありがとな。」

「いや、あれは勢いっていうか…あの時はごめんなさい。」


私があわてて謝ると、遥季はなぜか…
少し寂しそうに笑った。