「ひよりん?こんなとこで何突っ立っとんの?」 偶然廊下を通りかかった竜太郎君が、私に声をかけた。 「あ…うん、手を洗いに行こうと思って。」 私は今出てきた風を装って明るく答えた。 「洗面所なら案内したるで。俺の部屋の隣やし。」 竜太郎君が無邪気に笑ってそう言ってくれた。 竜太郎君と私の会話が聞こえたらしく、遥季さんとたっくんはそのまま会話を止めてしまった。