…さて。 僕は気合いを入れ直す。 まだ、やらなきゃいけないことがある。 冷蔵庫に入れてあった、今日作ったトリュフをガラスのお皿に入れて、トレーに乗せる。 強がりな僕らのお姫様は、きっと今ごろ、一人で泣いてるんだろう。 …不器用な僕らは、上手く伝えられなくて。 大事にしたい人を傷つけてしまうんだ。 …そのあとのフォローも、大事な僕の仕事だ。 トレー片手に、お姫様の部屋を目指して僕は階段を登った…──。