「…遥季が来るなんて、かなり想定外。」
棗さんがショーケースに並ぶスイーツを嬉々として眺める遥季を見やりながら、ぽつりと呟いた。
「え?」
「…なんでもないよ、ほら、ケーキもっと食べたら?遥季と一緒に選んできたら?」
棗さんは私に少しだけ微笑むと、言葉を濁しながらそう言った。
「さすがにこれ以上食べたら太っちゃいますから。」
私も同じように遥季を眺めながら言うと、偶然遥季と目が合う。
何やらにやりと笑うと、遥季はケーキを二つ注文した。
「…遥季、よく食べるなぁ。」
「遥季の食欲…とくに甘いものの食欲は底無しだからね。」
呆れたように言う棗さんだったけど、声色には遥季への親しみみたいなものを感じた気がした。

