「あの人カッコいい!…隣、彼女かな?」
「…じゃない?手ぇ繋いでるし…羨ましいなぁ。」
ヒソヒソと、羨望の眼差しが私の右手に注がれる。
「陽依?なに突っ立ってんの。」
棗さんが不審そうに私を見て、視線で座るように促す。
「…棗さん、ごめんなさい。」
私が謝ると、棗さんは不思議そうな顔をした。
「や…私が彼女だとか思われちゃ嫌だろうなぁって。」
小声で棗さんにそう言うと…
棗さんは、かなり予想外な反応をした。
「…こういうのも、悪くない。」
そう言って、平静を装ってカフェオレを飲む棗さんの耳は真っ赤で。
そんな棗さんに、私は思わず笑ってしまった…──。

