それから、棗さんの綺麗な写真を飽きるくらいに堪能して。
棗さんの海の写真のポストカードを一枚買って。
「ホントにありがとうございました!ん〜、楽しかった!」
「ふ、まぁ楽しめたら良かったんじゃない?」
棗さんが鍵ボタンを押しながら言う。
背中からはその表情は分からなかったけれど、声はとても優しいものだった。
「…さて。」
棗さんが私に向き直って、微妙な顔をする。
「…?」
「…っ察しなよ、ばか。」
そう言って、何故かそっぽを向く棗さんに、私は首をかしげる。
「だから…どっか行きたいとこある?せっかく寮から出てきたんだしさ。…なかったら、帰るけど。」
あぁ!
そういうことか!
納得した私は、棗さんににっこり笑いかけた。

