…なんか、私、大丈夫?
場違いじゃない…?
っていうか…
明らかに私、ガキくさいし…!!
学校を出て、言われるがままに電車を乗り継いで連れてこられたのは…
オシャレな街のオシャレなビルの一角だった。
「っあの、棗さ…」
「あれ、棗くん?個展は明日からじゃ…?」
ガラス張りのビルの入り口で、棗さんの知り合いらしき人に声をかけられる。
ビルの一回は外からもよく見える画廊のような造りになっていて、そのガラスには棗さんの個展のポスターが貼られていた。
…なんだか、
違う世界の人みたいに…遠くに感じた。
ポスターにはすでに「sold out」の文字。
「…陽依?」
棗さんに名前を呼ばれて、私は我に返った。
「ごめんなさい、ボーッとしちゃった!」
私が笑ってごまかすと、棗さんの前にいた人が私の顔を見て声を上げた。
「あ…!この子…」
その人は何故かへー、とかふーん、とか、意味ありげに笑っている。
「…有川さん?」
棗さんがその人を笑顔で睨む。
有川さん、と呼ばれたその人は、ごめんごめんと謝りながらケラケラと笑った後、棗さんの肩をポンと叩いた。
「僕は最終確認に来ただけだからさ。あ、鍵ちゃんと閉めてセキュリティロックしといてよ?棗くんの写真にはそれ相応の価値つくんだから。」
有川さんは冗談っぽく言うと、私に微笑みかけてビルを去っていった。

