…さて。
私は、やらなきゃいけないことがある。
…ちゃんと、棗さんと向き合わなきゃならない。
覚悟を決めて、私は拳をぎゅっと握った。
棗さんの部屋をノックしてみたけれど、返事がない。
どこにいるんだろう…?
棗さんがいそうな場所は…
「…ぁ、」
…いた。
庭に出てみると、噴水の縁に腰掛けて夜空を見上げる棗さんの姿があった。
小さくあげた私の声に反応したのか、棗さんはゆっくりとこちらを振り返る。
「…陽依…?」
月明かりの下、棗さんが目を見開いたのが分かる。
蒼白い暗闇の中で佇む棗さんは…
びっくりするくらい綺麗だった。

