「ただい…わわっ」
寮の扉を開けると同時に、ずしりと重みが加わって…
「ひよりん大丈夫やった!?樹に手ぇ出されたんとちゃう!?樹、普段は紳士に見せ掛けとるクセに…」
私をまるでだきまくらのようにぎゅっと抱き締めたまま、竜君が樹さんを睨む。
「悪かったって。たまにはいいだろ、いつもお前たちが離さないんだから。」
ジャケットを脱ぎながら、樹さんは呆れたように竜君をあしらう。
「あ、ひよりん!おかえり!樹くんに何もされなかった?」
たっくんも駆け寄ってくるなり、樹さんを不審げに見た。
「竜も拓海もそんなにご飯抜きになりたい?」
樹さんがにこりと紳士的な微笑みを浮かべた瞬間、二人ともすぐに黙ってしまった。
「陽依ちゃん、今日は振り回しちゃってごめんね?お風呂入ってゆっくりしてね。」
「はい。今日はありがとうございました!」
最後に私に微笑みかけると、樹さんは自分の部屋に向かって行ってしまった。

